今日の俄の婚約指輪は「花麗(はなうらら)」
甘い香りと幸せをまとい、麗かな人生を楽しむ女性の輝きのような作品です。
昨年の今日、完成した花麗が残したエピソードを紹介したいと思います。
この日、結婚10周年を迎えたJさんとSさんご夫妻、
最初にお会いしたのは、3月のお彼岸が明けた日のことでした。
「花麗はありますか!」と、とっても嬉しそうな笑顔で、仲良くご来訪、
念願だったという「花麗」とのご対面に心からご満悦のご様子で、
指のサイズを測らせてもらい、
一番大粒の俄ダイアモンドを使ってのオーダーメイドとなりました。
実は、奥さまのSさん、前年の震災で、ご実家とご家族を失っておられました。
発生後、すぐに二人で、車を走らせ、ご実家があった場所に到着してみると、
家は跡形も無く。。。
その後、ご家族ご遺体は全員を見つけて弔うことができたそうですが、
東北から戻ってからというもの、言葉も表情も失くなってくなってしまい、
ご主人のJさんは、懸命に支えたそうです。
こうした数カ月が続いたある日、
何故か雑誌を手にしたSさん、偶然にも載っていた「花麗」の写真。
雑誌を見えうなんて不思議なことだなぁとJさんは思ったそうです。
少しは心が回復してきたのかな、と。
それからというもの、Jさんが気付くとSさんは、
雑誌の同じページを見つめている、指輪の写真を見てます。
ある日、Jさんは思わず、
「元気になって1周忌をやって、彼岸が明けたら、その指輪を買いに行こうか」
と声を掛けました。
すると、Sさんがほほ笑みながら「うん」と。
この日から、Sさんに表情が戻り始めたそうです。
「想像できないと思いますが、今生きているのが不思議なくらい、抜け殻みたいだったんですよ」
と話して下さった笑顔が忘れられない私です。
そして、完成した「花麗」を指に輝かせながら、
10年前に結婚式を挙げた神社へと向かわれたお二人でした。
「もう一度、気持ちも新たに生きていきたいから」と。
個人的な後日談ですが・・・
震災後、TVから流れる「♪花は 花は 花は咲く・・・」のメロディー。
チャリティーソングの「花は咲く」のマキシシングルが発売されたのが3日後の5月23日でした。
今も、このメロディーを聞くたびに、お二人とあの日の花麗が瞼に浮かび、
亡くなった方々のご冥福と被災された皆さんのご回復をお祈りするばかりです。
「人」と「我」で「俄」と書いて「にわか」と読む京都ブランドの指輪には
選んだ二人が一つになれる物語が宿ります。
そして物語の続きは、お二人で仲良く育んで下さいね。
岐阜県の俄の結婚指輪・婚約指輪正規取扱店の吉田昇太郎から感謝を込めて