2010年 06月 29日
俄ダイヤモンドVSブリリアントローズダイヤモンド~品質が良質なら、こんなオマケが!
その時のことを憶えていますか?
CMや広告、写真で見たときではなく生で見た時のことですよ。
私はと言うと・・・はっきり憶えていません。
ジュエラーになるまでは何を見ても一緒でした。(興味も無かったと言うのが本音です。)
それが今ではダイヤのプロと呼ばれるようになってしまい。。。人生ってわからないものですね。
こうなったきっかけは世界で指折りの研磨職人を育てるアブラハム・ナムダーさんのダイヤを知ってからでした。

このような正八面体の原石は極々わずか。本来なら見つけるのは至難です。
今は大規模に採掘するので簡単に手に入る感じですが、出てくるほとんどの原石は変形しています。
正八面体でも、こんな透明は稀少で、私が一人で採掘したら、これ一粒見つけるのに何十年かかることか…。
そしてダイヤは原石のままではみんなが知ってる輝き方はしないのです。

ダイヤは人の手で磨かれ初めて輝くようになります。
研磨職人が一粒一粒を大切に磨き上げます。原石の形は様々ですのでその個性を生かします。あるダイヤは雫形に、またあるダイヤは花嫁が憧れる真円形にと。熟練の職人さんはブリーダーと呼ばれます。わが子を育てる心でベストな形に磨くのです。だけど妥協は許さない、厳しさも愛情だと。ダイヤの輝きは心の輝きみたいです。

ダイヤは形によって輝き方が変ります。
これはダイヤに入る光線を結晶が屈折させるからで、ダイヤの形を屈折の角度(屈折率)に合わせて理想的に整えると、ダイヤに入る光は表面から裏面へ、再び表面へと光を逃すことなくに輝かせることができます。
そして理想の形に磨けたとき、ダイヤの内部にハートとアローのマークが出現するわけです。
輝きが100%になったとき、ダイヤの中に偶然の愛が生まれたと言えるでしょう。

このダイヤモンドがナムダーさん家の世界特許の輝き。
真円形のダイヤに入る光の数をカットの面数で見たとき上部が33面/下部は25面という矛盾を解決したこのダイヤは33面から入る光線を33の下面で受止めます。
そして光は必ず中心軸を通り数を減らざず輝きます。
虫眼鏡で光を1点に集めるみたいに愛を燃やしそうなダイヤです。

ダイヤのいろいろな表情・・・ハートやアローはスコープを使わないと見えませんが、肉眼ならダイヤの中央の大きな面を見てください。
ここをテーブル面と呼ばび、形や広さが1粒ごと微妙に違います。
テーブル面の状態はカット品質の評価対象になっています。
またこの面の形は輝きに影響を与えます。
例えばテーブル面が2つの正方形が重なったカットは輝きの表情が清楚で力強くなります。
ですが、これを完成させることは容易でなく数も少なく貴重なダイヤ、しかも諸刃の剣なんです。
ダイヤの中味が大きく丸見えになるため、内包物(インクルージョン)まで丸見えです。
中味を明確に見せてしまう特徴は俄ダイヤモンド、ブリリアントローズダイヤモンドの共通点と言えます。
内包物がフェザー(ひび割れ状インクルージョン)だったり、カーボン(ダークインクルージョン)だったりすると
一般的なトリプルエクセレントカットや多面体カット、変型カットのように輝きでカバーすることはできません。
人間性を見るような、素肌を感じるような、心の眼に問いかける輝きを感じます。


この「白銀比」に着目して、カットしたダイヤが登場しました。その名を「俄ダイアモンド」言います。ヤ じゃなくて ア なのはこちらが正式名称だから。ダイヤモンドとの表記に慣れてしまった日本人ですがこれは俗称なのです。それはさておき、この白銀比のダイヤは本当に上品。世界中が憧れる日本女性の奥ゆかしさが嫌味のない輝き・・・という感じです。何でも贈る愛の素直さ、正直さ、真面目さ、謙虚さを2つの正方形に託して表現している宝石なのです。

最後はこちら、普段は透明なダイヤが紫外線を浴びたとき・・・一瞬でブルーに!?その瞬間がこの写真で、息を飲むほど感動的。南アフリカ産の個性的なダイヤです。日焼けするくらい熱い愛の視線を送ったら・・・色が変わったら素敵ですね。知らないうちはどれも同じに見えるダイヤですが、実はこんなに楽しさが隠れているのです。みなさんも、いざと言う時には私の所へこの感動を味わいに来てくださいね!
俄カット、ブリリアントローズカット、ストロングブルー、、、
世界に通じる美しい宝石は本来稀少で、大量には流通しません。
巡り合えただからお二人はとっても幸運で、幸せになれるのでしょうね!