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俄の結婚&婚約指輪の1級ジュエリーコーディネーターが綴る『みんなの指輪物語』41都道府県からの来訪に感謝を込めて。

みなさん、聞いてもらっていいですか

ジュエリーの仕事を通して、人さまのお役に立ちたい。
この気持ちで仕事を続けて20年以上が過ぎます。気がつけばご縁が生れたお客様は岐阜県全部の市と郡と、九州、四国東北までになりました。そしてその後も、全国から(アメリカからも)里帰りするように私の店を訪ねてくださいます。不便な立地にもかかわらず、わざわざ何度もお越しいただくことに驚きと感謝です。

この仕事に就いたきっかけは父の介護のためでした。
両親が切り盛りしていた小売店に、平成元年に父が倒れ身体の自由と言葉を失ったため東京から戻りました。18年続いた介護の合間に仕事を覚え、どうせならと、県内では入手し難いジュエリーを集める専門店へ転換を図りました。自身が当時の地元では満足に買物が出来なくて、せめて自店くらいはの思いからでした。と同時に悩みました。
止む終えない事情とはいえ、素人が売っていてはと申し訳ない気持ちでいっぱいになりました。ジュエリーの価値もわからず販売することに罪悪感があったからです。
転機はジュエリーを1から学び始めたとき訪れました。知識と技術を身につけたくて、製作現場を見学して回るチャンスに恵まれた時のこと。一流の作り手の姿と気持ちを初めて生で感じて閃きが生れました。みなさんジュエリーをわが子のように大切に扱っていました。そして感じたこと、それは家の食事が格別に美味しいのは、作る親の姿と愛情を知っているからではないかと。コンビニ弁当とは違う美味しさと安心感が販売するジュエリーにも必要だと。これ以降、本音で販売したいジュエリーに特化するためのお店作りを始めました。

そすして巡り合えたジュエリーのひとつが、京都の青木敏和さんが作る「俄」という結婚指輪です。無理を承知で見学させいただいたアトリエで、作り手の感性と真心に魅了されました。感動でした。
「初桜」「結」「絆」など数々の作品は名前通りの美しさを備えています。肌触りからは優しさのような心を感じます。本質的な魅力をお客様に教えなくてはと、製作者の姿や心を伝え続けたところ「俄」は岐阜では大ブレイク。以降も長く無名のブランドでしたが近年「俄」は世界第3位のブランドに成長を遂げます。お客様と私へのビッグニュースになりました。
現在はこの「俄」を筆頭に、ミャンマー政府公認の日本人唯一の採掘者・森孝仁さんの「非加熱ルビー」や、御木本幸吉翁の子孫の谷興征さんの「稀珠真珠」など、ジュエリーを純粋に愛する仲間から集めるジュエリーがお客様の宝物になってくれています。

お客様が待っていてくれたから立ち直れた2度の出来事があります。
2002年の秋、ギランバレーの病に見舞われ全身麻痺で入院したことがあります。握力が2年間戻らずこの仕事はもう無理と諦めかけましたが、私を頼って遠方から来て下さるお客様があったから、期待を裏切りたくない一心で回復できました。幸い身体は回復。ここで私は自分の力を過信してしまいます。2006年の名古屋への進出、これが大失敗でした。  
今ある店を1年以上留守にしました。老いた母が一人で守ってくれたおかげで、私には帰る場所がありました。母には本当に感謝しています。何より感謝なのが、失望して帰ってきた私を待っていたように再来店してくださったたくさんのお客様です。あるお一人お客様の「お帰り。ジュエリーはここじゃないと買えないから。」のお言葉は一生忘れられません。

以前からいろんな人に言われた言葉「ジュエラーが天職みたいですね」。今、本当にそうありたいと思います。
by diarise | 2010-03-01 23:07 | |みなさんへ感謝をこめて|